当社は、公共測量だけでなく、
民間向けに測量を切り口とした建設エンジニアの派遣をおこなっています。
民間向けには、業務委託として受注する測量業務も多く、専門性を活かして様々なことをしています。
今回は、先日、北陸地方で行った土木工事における起工測量をご紹介します。
※出張で本社(兵庫県)から対応させていただきました。
■前提
・土木工事のビジネスプロセスについて(公共の場合)
公共事業として行われる土木工事はおおまかに上記のビジネスプロセスで実施されます。
当社のような測量会社は、調査計画/設計/施工/維持管理と携わる機会が多くあります。
工事測量について
工事測量というと、施工プロセスにおける測量業務全般を指していますが、
今回はその中でも、起工測量(着工前測量)の紹介です。
起工測量とは、工事施工前に行う測量で、工事現場形状や工事施工量を確認することです。
土木工事は、橋や高速道路、ダム、空港といった大規模な工事となるので、各工程を細かく分けて各社に発注されることが多いです。
例:1工区の造成工事は〇〇社/1工区の橋の施行は●●社/2工区の造成工事は××社・・・
そのため、工事着工前に、前の企業が行っていた測量成果を工事着工前に確認します。
具体的には、
①基準点、水準点の座標確認
②中心線測量
③縦横断測量
④用地境界確認
などがあります。
■今回の業務内容
今回は、山間部に高速道路を作る工事の起工測量を実施しました。
具体的には、以下の業務を2泊3日の出張で行います。
・基準点測量(既設の基準点の確認)
・基準点測量(起工測量とは別に、着工時に使用する基準点の設置)
・水準測量(既設/新設の点の高さを求める)
・用地幅杭検測(既存の用地幅杭の確認/亡失の場合は木杭の設置)
【作業手順】
1.GNSS測量で既設の基準点、2点の座標を確認
2.座標がついた2点の基準点をつなぐ形で路線を組み、
トータルステーションを用いて基準点を10点新設
3.レベルを用いて、計12点の基準点の座標を観測
4.用地幅杭が見渡せる(逆設できる)位置の基準点に
トータルステーションを据えて、幅杭を観測
起工測量は、工事が始まる前に行われるので、
まだ施工されていない自然なままの状態の山を測量機械を担いで登ります。道を切り開きながら、図面上のポイントを見つける、測る、冒険心がくすぐられる現場です。
※用語解説
・用地幅杭:どこまでの土地を取得するか(道路や橋を作る官公庁がどこまでの土地を買うか)
を示すための目印となる杭